2008年08月21日

奇奈家家内放送 第五十一回目


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奇奈家家内放送 第五十一回目です。

どうぞお聞きください。

 

なお、簡易再生中、倍速再生等ございましたら、

お手数ですが、ダウンロードしてお聴きくださいますよう、

お願いいたします。

 

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f_kushina@hotmail.com

 

です。

どうかよろしくお願いいたします。

 

 

Blue Star K&E サイドストーリー
     「光の帝の持ちし腕輪」                                     奇奈 文人

 

私には信じられなかった。
あの方が、まさか人間ごときに光を司る腕輪「光帝環」を御与えになるとは・・・。
あれは光竜である私にこそふさわしいのだ。
そう思い、人の姿になり、そやつの国へと赴いた。
目的は「光帝環」の奪取。
しかし、その男の行動を見、心に触れるにつれ、何故この男が「光帝環」を授かったのかが段々わかってきた。
輝くばかりの高潔さ、人柄、そのほか全てが、授けられるべくして授けられた事を物語っていた。
そして、私は自分の愚かしい行動を恥じた。
そんな折も折、あの忌まわしい戦争が始まった。
私達の住む大陸にも軍勢が押し寄せ、激しいせめぎ合いのすえ、とうとう篭城戦に縺れ込んだ。
城下のものも城に避難してきていた。
そして状況は、・・・圧倒的に不利だった。
あの時の事は、今でも鮮明に瞼に焼き付いている。

彼は私と二人きりになると、
「・・・これを、預かって欲しい。」
そういって『光帝環』を外し、私に差し出した。
光帝である彼は、これを使いあの方とほぼ同等の光を操ることができる。
だがそれは、外したときの無力さをも意味する。
確かに彼は外した状態でも操る事はできるのだが、それでも人の限界は超えられない。
「この状況で・・・、死にに行くようなものだぞ!!」
「私に何かあったときは、これでみんなを守って欲しい。」
彼は、微笑みながらそういうと、城から出ていった。
「これ無しでどうするというんだ!!お前は・・・お前はちっぽけな・・・人間だというのに・・・・・」
私の叫びは、最後には消え入るようになっていた。
気がつけば、私は彼の後を追いかけていた。
腕は大木のようになり、手には金剛の鉤爪を備えていた。
輝く翼で大空へと飛翔する。
光竜本来の姿で、彼を探した。
“だめだ!だめだ!まだお前を死なせるわけには行かない!!”
そんな叫びは咆哮となり、大地を揺るがした。
・・・・・しかし、多勢に無勢。私が追い付く頃には、もう息も絶え絶えだった・・・。
周囲を威嚇し、彼の体を優しく掬い上げる。
手の上の体は、なんだかとても小さく思えた。
「なんだ、来たのか・・・」
彼は私の姿に驚く様子もなく、静かにそう言った。
不思議そうな顔をしている私の顔に手を当て、
「本当は・・・前から知っていたんだ・・・・・君が光竜だってことを・・・・・もっと早くに見せてくれたら・・・お願いしようと・・・思っていたことがあるんだ・・・」
「もういいんだ、話さなくて。すぐ城に戻れば・・・」
私の声は、果たして彼の耳に届いていたのか、彼は構わずに続けた。
「・・・君と一緒に・・・あの大空を・・・とびたい・・って・・・・」
顔に触れていた手は、まるで糸が切れたようになり、それきり彼は何も言わなくなった。
私はいつのまにか泣いていた。
彼をいとおしげに胸に抱え、城の周辺の大地とともに、大空へと飛び立った。

あれからどのぐらいの月日が流れたことか。
彼の墓と臣民を守る生活を続けながら、ふと彼に語りかけるのだ。
「ほら、御覧。君の夢見た、大空だよ」と・・・。

posted by 奇奈文彦 at 12:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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